自律神経は「生命の安全」より「体温調節」を優先する
新生児の体温調節を研究して赤ちゃんに学んだ最も重要な点とは、赤ちゃん(人間)が突然に不快(寒い・暑い)な環境温度に遭遇した時、自律神経は生命の安全(呼吸循環の調節)より、体温を37℃に維持するための体温調節機構を優先して作動する特性(優先順位)を持っている事を学んだことです。
赤ちゃんは快適な環境温度では安全ですが、寒い分娩室に生まれ急激に低体温症に陥った時は、自分の体温を37℃に上昇させるための体温調節を優先して作動します。
近年の発達障害児の増加は、低体温から恒温状態に体温を上昇させるための体温調節機構(末梢血管収縮+産熱亢進)が赤ちゃんの病気(低血糖症⇒発達障害)を作り出しているのです。
当院が、出生直後の赤ちゃんを快適な環境温度(保育器:34℃)に入れる理由は、低体温を防ぐ為の体温調節機構の弊害(末梢血管収縮+産熱亢進)を少なくし、胎内から胎外生活への適応過程を円滑に進めるためです。
低体温を防ぐ為の新生児がもつ体温調節機構は体温調節に有利に働くのは当然ですが、長時間の末梢血管収縮(糖新生抑制)と産熱亢進(糖消費増大)は低血糖症を増強するため、赤ちゃんの脳に障害を及ぼすのです。
福岡市では、2007年に出生直後からのカンガルーケアが始まった時期に一致して、驚異的な勢いで発達障害が増えています。
私は、出生直後の寒冷刺激、つまり胎内(38℃)と胎外(25℃)の環境温度差(約13℃)が低血糖症の赤ちゃんを増やした主な原因と考えています。
発達障害を防ぐ為には、出生直後の赤ちゃんを出来るだけ早く快適な環境温度(中性環境温度:34℃)で管理し恒温状態に早く安定させることが何よりも最優先されるべきと考えます。

