完全母乳の落とし穴
発達障害児が増えるもう一つの要因は、WHO・ユニセフが「母乳育児を成功させる為の10か条」を1989年に発表したことです。
とくに第6条の「医学的根拠なく糖水や人工乳を飲ませない」は、日本の赤ちゃんにとって致命的です。
厚労省は1993年(平成5年)からWHOが推奨する母乳育児推進運動を始めましたが、福岡市ではその数年後から発達障害が急激に増え始めました。
私はその理由を、生後数日間の飢餓状態(低栄養+脱水)にあると考えています。
実は、多くの母親において分娩後の3日間は、母乳は殆んど出ないか出ても滲む程度なのです。
日本の赤ちゃんは生後3日間、出ないオッパイを吸わされ飢餓状態(低栄養+脱水)に陥っています。
母乳が出ているか、栄養が足りているかどうかは赤ちゃんの体重を計れば容易に分ります。
しかし、出生時からの体重がどんなに減っても、空腹で赤ちゃんが泣き叫んでも、医師・助産師は早期新生児の体重減少は生理的現象と勝手に解釈して、飢餓を防ごうとしません。
それは、赤ちゃんは「3日分の水筒と弁当」を持って生まれてくるから、3日間は体重が減っても人工乳など飲ませる必要はないと教育を受けているからです。
しかし、「3日分の水筒と弁当」説には科学的根拠はありません。
その証拠に、完全母乳で哺育された赤ちゃんの出生時からの体重減少率が-10%以上の事例は珍しくありません。
最近では-15%までの体重減少率を生理的現象とする意見もあるようですが、私は発達障害児が増えて当然と考えています。
実際に、体重減少が11%以上になると高ナトリウム血症性脱水を発症しやすくなると富山大学より報告されており、高ナトリウム血症性脱水を起こした児の半数以上に発達障害を認めたというトルコの報告があります。
日本で生まれる赤ちゃんの多くが、この3日分の水筒と弁当説の犠牲になっているのです。
私は、赤ちゃんの健康な成長のためには、基礎代謝量(50kcal/kg/day)の哺乳が最低限必要だと考えています。
さらに、飢餓状態(低栄養+脱水)は重症黄疸を増加させることが知られており、重症黄疸もまた脳に障害を与える可能性があります。
しかし、厚労省は2007年に「授乳と離乳の支援ガイド」を発表し、完全母乳哺育を推進しています。
そのために母乳育児の3点セット(カンガルーケア+完全母乳+母子同室)が日本のお産の常識となり、脳に障害を与える低血糖症・重症黄疸・飢餓(体重減少)に陥る赤ちゃんを増やしているのです。

