赤ちゃんの健康を守るために。産科医の現場経験と臨床予防医学に基づいた、いま知ってほしい情報を公開します。

冷え性2025年12月28日

発達障害を防ぐために予防医学的医療戦略を

発達障害を防ぐために予防医学的医療戦略を

発達障害はカンガルーケアと完全母乳哺育を積極的に実践する産科施設、たとえば「赤ちゃんに優しい病院」などに集中していると推察しています。
何故なら、すでに述べたようにカンガルーケアは低体温症を、完全母乳は飢餓の赤ちゃんを増やし、両者(低体温症+飢餓)の組み合わせは発達障害の危険因子である低血糖症・重症黄疸の赤ちゃんを増やすからです。

とくに心配なのは、高インスリン血症児では低血糖症に陥りやすいということです。
妊娠糖尿病の母親からは高インスリン血症児が生まれやすいのですが、我々のデータからは正常と思われた妊婦から生まれた児の何と6人に1人が高インスリン血症児でした。
出生前に診断することができない高インスリン血症児を寒い部屋でカンガルーケアと完全母乳で保育管理すると、赤ちゃんは確実に低血糖症に陥ると予測されます。
現代産科学は出生前に診断することができない高インスリン血症児を見逃しているのです。

胎児のインスリン濃度胎児のインスリン濃度

しかし幸いにも、低体温症も低血糖症も防ぐことが可能です。
当院では、出生直後より積極的に児を保温し、生後1時間目から糖水を飲ませ、その後母乳の不足分を人工乳で補っています。
その結果、10700例の平均の体重減少率は-1.2%、重症黄疸に対する光線療法実施率は0.2%という非常に低い値になっています(第147回福岡産科婦人科学会、2013年)。
発達障害の増加に歯止めを掛けるためには、出生直後の低体温症・低血糖症・重症黄疸から赤ちゃんを守る積極的な予防医学的医療戦略(先制医療)が必要です。

久保田式新生児管理法久保田式新生児管理法
久保田史郎 ワンヘルス 安産大学 理事長
ワンヘルス 安産大学 理事長

久保田史郎

長年にわたり産婦人科医療の第一線で活躍し、1万5000人以上の新生児の誕生と発育に携わる。臨床データに基づく「温める周産期ケア」と「水と空気の重要性」を提唱。2001年より久保田予防医学研究所を通じて、発達障害の予防や温活の科学について精力的に情報発信を続けている。

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